父はひとり・・・


  嫁がせて
   父はひとり
    りんご剥く


小津安二郎監督の「晩春」のラストシーンを俳句にしました。
大学教授の父親の周吉(笠智衆)は、娘の紀子(原節子)を嫁がせた夜、
娘のいない自宅でひとり、りんごの皮を剥く。
周吉と紀子は父と娘のふたり暮らしだった。
剥かれたりんごの皮がはらりと落ち、
周吉もうなだれるのだった。