風の果て


NHKの木曜ドラマ「風の果て」を見る。
青雲の志を持った5人の若者が、次第に権力闘争の渦中に巻き込まれ、
様々な荒波に揉まれる人生模様を、脚本家の竹山洋が、丁寧に描いている。
特に、上村隼太は、桑山隼太になり、桑山又左衛門へと、
名前が変わるたびに、出世魚のごとく、職位が上がって行く。
今週は、郡奉行に出世する。


桑山隼太役の佐藤浩市の安定感のある演技。
福士誠治演じる爽やかな青年時代から、次第に野心家として、
出世街道を驀進して行く隼太。
回を重ねるごとに、佐藤浩市の眼光が鋭くなる。


隼太の妻満江(石田えり)は、家族がつつましく暮らす事を望む女性。
夫と子供を慈しむ女性。
仕事人間の夫と、家庭第一の妻。
現代の日本のサラリーマン家庭にも当て嵌まる構図。



「足るを知る」という言葉がある。
敢て、その言葉の、アンチテーゼの生き方をする隼太は、
舅(蟹江敬三)の今生の言葉で、又左衛門の名を継ぐ。