2005-01-01から1年間の記事一覧

『嬢王』

「嬢王」が面白い。 テレビ東京 毎週金曜日 深夜0:12〜0:53 北川弘美演じるキャバ嬢、彩(あや)もなかなか新鮮で好感がもてる。 キャバクラについて、あまり知らないがコスプレでの接客などで、 異空間を演出し、男たちに一瞬の夢を与えてくれる癒…

静の舞ひを思ひ句作せり

『夕紅葉力の限り舞ひにけり』 NHK大河ドラマ 義経「しずやしず」は圧巻であった。 石原さとみ演じる静の凛とした瞳が美しい。 時は、夕日燃ゆる刻。 静は舞ふ。 義経を思い、殺められた我が児を思ふ、静の舞扇に紅葉が二葉落ちる。 義経と亡き児への思い…

白薔薇の深紅に染まり召されけり

本田美奈子が亡くなった。 享年三十八歳。 病名は、白血病。 残念だ。 彼女が亡くなって、数々の特集番組を観るにしたがい、その思いを強くした。 実は、本田美奈子が音楽的に、こんなに成長していたとは思わなかった。 特に、クラシックを歌う音域の広さと…

黒髪を歯で噛み切りし落花かな

狂ふとは、時として美の極みを演出する。 取り分け恋に狂ふ女は、数々の舞踊で演じられている。 恋に狂った男は愚かだが、女はどこか崇高な光さえ放つ。 はらはらと櫻散るなか、黒髪を噛み切る。 そんな幻想がある舞踊を観たとき、閃光のように走った。 黒髪…

『砂時計逆さにしたる晩夏かな』

夏の終わりは淋しい。 砂時計を逆さにすると美しい夏の日々と、 少しにがい恋の思い出がよみがえる。 晩夏は沈む夕日。 逆さにしても戻らない失われてゆく砂時計。 ★人気blogランキングへ★

『 ヨットより一握の骨流しけり 』

昭和六十二年(1987)七月十七日に、石原裕次郎は永眠した。 享年52歳であった。 裕次郎はヨットが好きだったという。 青年時代は、船乗りになる夢を抱いていたそうだ。 兄、慎太郎氏は「海を見るたびに裕次郎を思い出してやって下さい」と出棺の挨拶…

『 陽炎のねんごろなるも一期かな 』

夏の日、ゆらゆらと陽炎(かげろふ)が立ち昇ることがある。 透きとおった炎のように見えることがある。 白いけむりが、からみあいながら消えてゆく姿は、 どこか、ねんごろなる男女にも似ている。 しかし、陽炎ゆえに男と女は、たまゆらのふれあいなのだ。 …

犬の気持ち 

人が人の気持ちを察するとは、いかにも人間的な心の動きである。 情に動かされる人は、やはり心に四季を在している。 冬の厳しさ、春の優しさ、夏の激しさ、秋の悲しさを想像することに他ならない。 それゆえ人の気持ちを察するとは、ことのほか相手を思いや…

『 麦秋や男にもある適齢期 』

一面に広がる麦畑、麦の穂は茶色に実り、風に揺れている。 よく女性には、結婚適齢期があるいという。 最近では、男性も早く結婚しろと、親なり会社の上司なりに、 言われることも多いのではないか。 どうやらこの適齢期とは、女性だけの問題では無いようだ…

『 摩天楼錐揉み雷火立ちにけり 』 

新宿の高層ビル群に稲妻が走る。 閃光が立ち、闇を切り裂く。 都会の彩色の景色が一瞬白黒(モノクロ)の世界となる。 キリコの絵に惹かれることがある。 影を描く、いわば陰翳の魔術師である彼のことを思い出す。 又、こんなことも考えられはしまいか。 文…

雨音 

人は一人のとき、心が研ぎ澄まされることがある。 それは、自分自身の内奥の音に耳を傾けるからかもしれぬ。 夜、静かに雨音が打つとき、その音色は、その聞く者の心の色に染まる。 たぶんショパンの雨音は、あの美しいメロディーに変わったのだろう。 人間…

情報のラマダン 

私は一年余り、イスラムの国で駐在生活をしていた。イスラム教にはラマダンという断食の期間がある。そのラマダンのただ中で、日本のことをあれこれ考えをめぐらした時、情報国家日本を生きる処世術として、実にこのラマダンの必要性を感じた。そう、情報の…

『 蟷螂に生き餅与えし女優かな 』 

蟷螂(とうろう)とはカマキリの別名である。カマキリは、産卵すると雄を食べてしまうという。女優は、蟷螂に乗り移り、女の魔性が演技の華となり美しさとなる。自分自身の中に存在する天使と悪魔のアンビバレンスが、女優を官能へと誘うのである。 *アンビ…