犬の気持ち 


人が人の気持ちを察するとは、いかにも人間的な心の動きである。
情に動かされる人は、やはり心に四季を在している。
冬の厳しさ、春の優しさ、夏の激しさ、秋の悲しさを想像することに他ならない。
それゆえ人の気持ちを察するとは、ことのほか相手を思いやる想像力に発せられる。
さて、言葉を持たない犬には、相手の心を思いやる想像力があるのだろうか。
しかし、容易に犬は人の心を動かすことができる。
飼い主の姿を見るだけで尾を振り、目をキラキラさせ、愛くるしく鳴くことで、いわば好意のメッセージを伝える。
そうしてみると、人間は己の気持ちを伝えるのが、犬よりも下手なのであろうか。
私たち人間は、同じ人間でありながら心を通わすことに苦労してしまうようだ。
言葉が、コミュニケーションの全てではない事を物語っている。


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