2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

武蔵野深大寺

晩秋から初冬の季節、武蔵野を歩きたくなることがある。 気の向くまま、歩くのだ。 国木田独歩や徳富蘆花の往時の武蔵野は、殆ど失せてしまったが、 深大寺周辺には、まだ武蔵野らしさが残っている。 雑木林や小川、畑と農家。 深大寺で、記憶に残る小説は、…

あるある大事典を視る女性

11月26日(日)の夜9時からは、二夜連続の大作ドラマが放映された。 「氷点」だ。 私の会社の女性事務員の方は、三人とも「氷点」ではなく、 「あるある大事典」を視ていた。 今日は、昨日の「あるある大事典」の話しを楽しそうにしていた。 「発掘!あ…

氷点〜第二夜

「氷点〜第二夜〜゛生きる 産みの母と育ての母の対決・・・旭川〜富良野 〜燃える流氷゛大自然が織りなす親子の愛と絆・・・感動の結末」 こんなタイトルが、テレビ欄に踊っていた。 このドラマの登場人物たちは、十字架を背負いながら、生きている。 陽子(…

漂白の魂 杉冬吾

うしろすがたのしぐれてゆくか 種田山頭火(たねださんとうか) 「純情きらり」の杉冬吾(西島秀俊)は、同じ男としてどこか羨ましい存在だった。 夢と現実の狭間で、冬吾の自由なる魂が、 どうしようもなく現実に流される自分にとって、少し眩しかったから…

氷点〜第一話

「氷点」第一話を視た。 石原さとみと飯島直子の母娘が好演していた。 妻夏枝(飯島直子)が時折見せる怜悧な眼差しに凄みを感じた。 三浦綾子原作のこのドラマは、40年前に新珠三千代、内藤洋子出演で、 テレビ放映されている。 「許してください。 殺人…

原宿雑感

同潤会青山アパートが消えてから、原宿に訪れていない。 青山アパートは、原宿の象徴的建物だった。 表参道の街路樹と、蔦の絡まった外観と古い外壁が、 独特のレトロな雰囲気を醸し出していた。 若者の街原宿は、ハイティーンの竹下通りと、少し大人の表参…

銭湯の思い出

子供の頃、家に風呂はあったが、たまに銭湯に行った思い出がある。 お祭りになると、町内会で風呂券を貰い、 友だち同士で、近所の銭湯に祭りで掻いた汗を流しに行った。 東京の銭湯が減り、下町の人情も薄くなったような気がする。 TBSの向田邦子原作、…

雪の俳句

11月も末になり、東京を始め、いたるところで、 クリスマスの装いを見せている。 そういえば、原宿のクリスマスのイルミネーションは綺麗だった。 表参道は、別世界のように眩しかった。 ただ、今はこのイルミネーションは見ることはできない。 吉田栄作と…

微熱の一日

今日は、熱っぽく会社を早退した。 下痢と嘔吐があり、風邪薬を飲んで寝ていた。 タレントの若槻千夏も同じような症状で入院したそうだ。 今年は、既に11月で流感が流行り始めている。 暖冬の予想だが、今日あたりは、北海道に寒気が流れ込み、 札幌も積雪…

映画芸術派

NHKのBS衛星映画劇場で、ルキノ・ヴィスコンティの特集が始まった。 今日は「夏の嵐」が放映された。 ルキーノ・ヴィスコンティは、貴族出身で、ココ・シャネルの紹介で、 映画の世界に入った監督だ。 彼の豪華にして絢爛たる映像は、シャネルに通じる…

女流俳人

三橋鷹女、橋本多佳子、鈴木真砂女、 いずれも、私が表現者として、尊敬する女流俳人だ。 そして、真の愛を俳句という文芸に織り込んだ女性達だ。 2006年11月19日の朝日新聞の、「折々のうた」に、 鈴木真砂女(まさじょ)の俳句が、掲載されていた…

セーラ服と機関銃

目高組の組員が、次々と殺されて行く。 組員を家族のように思っていた泉(長澤まさみ)の、 感情のマグマが熱くなる。 20年以上前に観た映画、薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」 はインパクトがあった。 そして、薬師丸ひろ子のあの澄んだ歌声も。…

賢夫人

「功名が辻」の山内一豊の妻、千代は昔から賢夫人の誉が高い。 明治生まれの祖母は、よく嫁にするなら一豊の妻のような、 賢夫人と結婚しなさいと言っていた。 今時で言えば、あげまんの女性と結婚しなさいというところか。 ただ、当時小学生の私は、山内一…

ボジョレーヌーヴォー解禁

今年もボジョレーヌーヴォーが解禁になった。 11月の第3木曜日が解禁の日となる。 ハロウィンが終わり、ボージョレ、そしてクリスマスと、 寒さも増し、年末となる。 オフコースの「ワインの匂い」は、どこかボジョレの香りがする。 ワインの好きなその娘…

情報のラマダンⅡ

「解釈を拒絶して動じないもだけが美しい、 これが宣長の抱いた一番強い思想だ。 解釈だらけの現代には一番秘められた思想だ。」 「無常といふ事」 小林秀雄著 読書は、同じ本を読んでも、自分自身の状況で随分と、 読後の感想が変わるものだ。 社会人になっ…

秋篠宮悠仁様お宮参り

11月14日、秋篠宮ご夫婦は、御長男の悠仁様のお宮参りとして、 皇居内の宮中の仮殿に参拝された。 各新聞社が、秋篠宮妃紀子様と悠仁様の写真を掲載していた。 紀子様が悠仁様に微笑みかけるお姿が、美しく清らかであった。 母性の柔らかな雰囲気が漂い…

漱石の俳句

2006年11月14日の朝日新聞の「折々のうた」が印象に残った。 夏目漱石の俳句が掲載され、大岡信が解説している。 有る程の菊抛げ入れよ棺の中 「抛(な)げ入れよ」と言う命令形に託された漱石の激情。 あの冷静な漱石の風貌からは想像できない、 慟…

観念の解放

「人間は自己実現の過程で疎外される」 カール・マルクス マルクスのこの言葉は、 例えば、吉本隆明の「言語にとって美とはなにか」の、 こんな文章と共鳴する。 「そうして、自然がおそるべき対立物としてあらわれたちょうどそのときに、 原始人たちのうえ…

伝統と義に殉じた武将

「功名が辻」で明智光秀を、 歌舞伎役者である、大和屋の坂東三津五郎、 石田三成を成駒屋の中村橋之助が好演している。 いずれも、後世ではあまり評価されなかった武将だ。 明智光秀の「三日天下」などと揶揄され、 主君、織田信長を裏切った卑怯な武将の印…

奥様タレント

酒井法子、菊池桃子、森高千里、いずれも変わらぬ可愛さを、 失わないタレントだと思う。 コマーシャルなどでよく出演するのも、 彼女たちのナチュラルにしてキュートな、 癒し系の雰囲気にあるのかもしれない。 奥様になっても、所帯ずれせず、さりとて家庭…

大正まで生きた将軍

徳川慶喜の葬儀の話を、明治生まれの、 祖母から聞いたことがある。 江戸幕府最後の将軍慶喜の話を、身内から聞くことで、 江戸時代の歴史の教科書や、時代劇の話といった、 遠い昔の話でない、将軍慶喜が身近な存在に思えた。 「その後の慶喜」家近良樹著を…

地球のストレス

地球をひとつの生命体とすれば、 私たち人間もその生命体の一つなのかもしれない。 動物、植物、昆虫、様々な生き物が暮らす地球。 ある意味で、そうした全生物を地球は養っている。 そうした生物のなかで、最も親不孝な生物は人類なのかもしれない。 環境を…

日展

上野公園の東京都美術館で日展を鑑賞した。 当初はダリ展を観ようと思ったが、かなり待ち時間があり、 美術鑑賞を日展に変更した。 館内の作品は、日本画、洋画、彫刻等様々で、しばし芸術を堪能できた。 久しぶりに、頭が日常モードから、 芸術モードに切り…

言語にとって美とはなにか

学生時代、「言語にとって美とはなにか」「心的現象論」 「共同幻想論」を読んでいた。 かなり難解にして、頭の体力が必要だったような気がする。 この三部作は、トライアングルのように、それぞれの著作が、 互いの引力で結びついているように感じた。 なか…