氷点〜第一話


「氷点」第一話を視た。
石原さとみ飯島直子の母娘が好演していた。
妻夏枝(飯島直子)が時折見せる怜悧な眼差しに凄みを感じた。
三浦綾子原作のこのドラマは、40年前に新珠三千代、内藤洋子出演で、
テレビ放映されている。


「許してください。
 殺人者の娘として生まれた私を・・・・」


辻口陽子に罪はない。
しかし、育ての親である辻口(仲村トオル)と妻夏枝の愛憎ゆえに、
陽子の運命は波乱に満ちたものとなる。
叔母の岸本加世子が、良い味を出している。
冷め切った夫婦に、
「腹の探りあいばかりするのはやめなよ」
そんなさっぱりとした気性の女性だ。


石原さとみ扮する陽子が、卒業の答辞を読むところが印象的だった。
母親が、白紙の答辞と摩り替えて、
陽子が動揺しながらも、心を落ち着けて、
自分の言葉で答辞を読み上げるシーンが感動的だった。


  卒業の白紙の答辞読み上げり


そんな俳句が、陽子の答辞を読み見上げる場面で浮かんだ。
生まれながらに背負う「原罪」と「贖罪」の重いテーマ。
人間の内奥のアンビバレンス。
「原罪」と「贖罪」の止揚
石原さとみが、自分が殺人者の娘と知ったとき、
声を振り絞り泣き叫ぶシーンが、
昨年の大河ドラマ義経」の、彼女の静御前のワンシーンを想起させた。
愛する義経(滝沢秀明)の児を殺められたと知った、
静御前石原さとみ)が発する、魂の底から発する慟哭の叫び。
「氷点」の辻口陽子も、静御前に勝るとも劣らぬ、
さながら獣のような叫び声だった。


石原さとみは、どこか山口百恵に似ている。
山口百恵石原さとみ、いずれもホリプロダクションのスターだ。


*アンビバレンス  「両面感情」「好悪併存」


*「氷点」は三浦綾子のクリスチャンとしての世界観、
 原罪あるいは、贖罪がテーマになっている。
 私は、ふと親鸞の「歎異抄」を想起した。