2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

私には今しかない

桜子(宮崎あおい)と達彦(福士誠治)が、二人でピアノを弾くシーンは、 微笑ましく、切ない場面であった。 竹下景子のナレーションが、流れる。 「幸せな時間でした。そして悲しい時間でした」 達彦との幸せな時間、しかし、達彦は出征する。 二人にとって…

オミズ新入生の独り言

オミズ大学新入生の私が、最近感じるのが、 「お金で遊んでも、お金で遊ばれないこと」だ。 時には、羽目ははずして遊んでも、節度を守ったお金の使い方をする。 好きな女性と長くお付き合いしたいのなら、 自分を抑える自制心が必要なのかもしれない。 特に…

堀威夫、大スターを発掘した男

かつて、「スター誕生」というオーデション番組があった。 山口百恵、桜田淳子、森昌子、中森明菜、小泉今日子、 綺羅星のごとくスターを輩出させた番組。 様々な芸能プロダクション、レコード会社が、 明日のスターを発掘しようと参加していた。 その中に、…

吉兵衛の恋

1582年の清洲城。 千代(仲間由紀恵)は、お市(大地真央)に呼び出される。 お市は、千代に別れを言うために呼んだと話す。 「そちとは、敵味方となるのじゃ」 秀吉と勝家は、もはや抜き差しならぬ仲となっていた。 お市は、千代が縫った内掛けを北の庄…

男たちの龍宮城

「まるで龍宮城みたいな店だなぁ」 吉行淳之介が、銀座のクラブ「姫」に最初に訪れたときの、 第一声だ。 10年程前読んだ、山口洋子著「ザ・ラスト・ワルツ」を 再読していると、吉行淳之介の「龍宮城」という言葉が眼に 飛び込んできた。 小説家、吉行淳…

絆が試されるとき

笛子(寺島しのぶ)は生徒達に、 「自分の心だけは裏切らないでください」 その言葉を残して学校を去る。 苗子は冬吾(西島秀俊)に会いに東京に行こうとするが、 すでに、桜子(宮崎あおい)の計らいで、冬吾は近くの お社で、笛子を待っていた。 「学校や…

姫路城

城を見るのが好きだ。 しかし、さほど城を見物したわけではない。 江戸城、大阪城、小田原城、青葉城、千葉城ぐらいのものだ。 私が、城に美しさを感じたのは、 子供の頃見た、ある雑誌に掲載されていた、姫路城の写真であった。 その純白の美しさに、小学生…

祭りのあと

吉田拓郎の 「祭りの後の寂しさは・・・・」という歌を 中学生の頃よく聞いていた。 また、「おきざりにした悲しみは」も、 忘れられない拓郎の曲のひとつだ。 あまり歌わなくなったが、今も時々口ずさむことがある。 「おきざりにしたあの悲しみは 葬るとこ…

萬斎親子鷹

野村萬斎の対談で目に留まった言葉があった。 「正しくプログラミングして、正しく機能するようにしてあげて、 世の中に出してあげる。 表現方法を知らない子供に、いきなり個性といっても始まらない」 以前、野村萬斎が息子に狂言の稽古をつけている場面を…

冬吾の魅力

「純情きらり」のヒロイン桜子(宮崎あおい)もかわいいが、 何故か私は、杉冬吾(西島秀俊)の飄々とした生き様に、 惹かれてしまう。 杉冬吾は、芸術家であり無頼派の男だ。 太宰治を、モデルにしているとも云われている。 女に優しく、女にもてるが、女に…

蝶の夢

山崎の戦いで敗れた光秀(坂東三津五郎)は、落ち武者狩りに襲われる。 腹を刺される光秀。そこに、丁度、光秀軍を追ってきた一豊(上川隆也)の 軍が通りかかる。 光秀の一豊への、いまはの言葉は、 「山内殿、そなたは生き延びよ。生きて乱世の末を見届け…

紫陽花

庭の紫陽花を切花にして、事務の女性が、 一輪挿しに活けてくれた。 彼女はスポーツ好きで、ショートカットの似合う、 活動的な方だが、花を愛でる女性らしい大和撫子でもある。 何よりも、さりげない季節の贈り物がうれしい。 活けた当初は、紫陽花の紫も淡…

三人の女優

涼風真世の、 「名奉行大岡越前」の密偵おりん役が板についてきた。 涼風演じるおりんは、鬼平犯科帳のおまさと同じく、 過去のある女だ。 涼風真世は、宝塚歌劇団出身ながら、華やかな演技に留まらず、 抑えた演技も光る、なかなかの、名脇役だ。 涼風真世…

刑死前夜

この済める こころ在るとは識らず来て 刑死の明日に迫る夜温し 島秋人 「遺愛集」所収 大岡信の「折々のうた」朝日新聞2006年6月15日付 に目がとまった。 この作者は、死刑を執行された死刑囚であり、 この短歌は作者の、刑死前夜の作品とのことだ。 …

コクトーの海の響き

私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ ジャン・コクトー作 堀口大學訳巻貝を耳に当てると、遠い潮騒の響きが 聴こえてくることがある。 そして、その潮騒が、昔の、恋人の甘い囁きや、 母の子守唄に変わる。 コクトーは、自らの耳を貝の殻に喩える。 確かに、…

梶芽衣子、白無垢の心

燻し銀の演技とは、どちらかといえば、男優にたいする、 褒め言葉かもしれない。 ただし、鬼平犯科帳のおまさを演じる梶芽衣子は、 まさに燻し銀の女優である。 梶芽衣子は、本名が雅子であるが、 「おまさ」はどこか彼女の、分身のようだ。 平蔵(中村吉右…

気持ちをリセットW杯

ドイツは抜けるような青空。 日本は、梅雨真っ盛り。 ワールドカップ第一戦、残念ながら日本は負けた。 1対3、後半39分からの3失点。 逆転負けの試合だった。 暑さに負けたのか? オーストラリアとの実力の差か。 1点取られてから、雪崩れのように崩れ…

本能寺

膝枕の信長(舘ひろし)は、酩酊となり、しばし昔を懐かしむ。 「尾張のうつけと言われた頃は、そなたの膝枕で昼寝したものよ」 お濃(和久井映見)は優しく応える。 「殿は、今もうつけでございます」 「殿は、昔はよく笑いました」 まさに、おしどり夫婦の…

青春の彷徨

先日、唐沢寿明の「ふたり」を読んでいたとき、 唐沢も十六歳から十九歳までの間、新宿によく通っていたと語っていた。 彼にとって、新宿は一番好きな街であり、 その当時は、カッコよく踊ることだけ考えてたと邂逅している。 唐沢寿明が、フーテンという昔…

娘道成寺

中村勘九郎(現・勘三郎)の「勘九郎ぶらり旅」を読んでいる。 勘九郎はすでに、十八代中村勘三郎を襲名しているが、 この本は、勘九郎時代に書かれたものだ。 勘九郎が、歌舞伎に由来のある、町をぶらり旅をして、 語りおろした構成になっている。 本書をぺ…

「光秀転落」

筆まめの千代(仲間由紀恵)は、戦場の一豊(上川隆也)に、 家中の出来事を綴った手紙を送る。 千代の手紙は、家中のことに止まらず、夫への恋文でもあった。 他の女房たちも、はしたないとは言いながら、色めきたち、 自分も手紙を書いてみようとするが、…

気になる男たち

同世代の俳優に、何かしら刺激をうけることがある。 20年近く前、あるトーク番組で、真田広之、渡辺徹、金田賢一の対談を、 放映したのが、印象に、残っている。 まだ、彼らも若く、真田は、角川映画やアクション物の映画に出演し、 けして、今のような演…

環境テロリスト

私たちは、知らず知らずのうちに、テロリストになっているのかもしれない。 太平洋の、ある島国は、海面上昇で海底に沈もうとしている。 先進国の二酸化炭素による地球温暖化は、 確実に一国の存立をも、危うくしているのだ。 北極海の氷がやせると、先進国…

来年の桜は今年の桜ではない

「死は、個人にたいし類の冷酷な勝利のようにみえ、 またそれらの統一に矛盾するようにみえる。 しかし特定の個人とは、たんに一つの限定された類的存在にすぎず、 そのようなものとして死ぬべきものである。」 カール・マルクス(経済学哲学草稿) 人間は、…

岩崎宏美コンサート

岩崎宏美のコンサートに出かけた。 しばし、美しい歌声と伸びのある歌唱に、癒された。 私は、「思秋期」が特に印象に残った。 彼女の綺麗な発声とボリュームのある声量が、 感傷的なメロディーとマッチし、私たちの琴線に触れる。 私も、この曲を聴くと、学…