祭りのあと
吉田拓郎の
「祭りの後の寂しさは・・・・」という歌を
中学生の頃よく聞いていた。
また、「おきざりにした悲しみは」も、
忘れられない拓郎の曲のひとつだ。
あまり歌わなくなったが、今も時々口ずさむことがある。
「おきざりにしたあの悲しみは
葬るところどこにもないさ
ああ、おきざりにしたあの悲しみは
夜の寝床に抱いてゆくさ」
1970年はじめ、政治の季節は終わろうとしていた。
「神田川」や「同棲時代」が流行っていた。
どこか、時代が閉塞状況にあった。
ニューミュージィクが流行ったのもその頃だろう。
荒井由実、五輪真弓、中島みゆきが活躍し始めた時代だ。
連合赤軍の浅間山荘事件あたりを境に、
学生運動のセクトは四五分裂、内ゲバが多発し、大衆から離れていった。
東大の学園祭では、当時のアイドル山口百恵、
早稲田大学は、桜田淳子を呼んで脱政治色の大学祭を催した。
「祭りの後の寂しさ」
「おきざりにした悲しみ」
そんな歌がぴったりの時代。
巷では、ガロの「学生街の喫茶店」がよく流れていた。
同級生の女の子たちは、
「学生街の喫茶店」の詞より、ボーカルのマークの、
サングラスに隠された目に、関心をもっていた。
フォークソングもアイドル化の波に晒されていたのだ。
時代の潮目を感じる季節、私も青春という季節を、
迎えようとしていた。