功名が辻

永遠の夫婦

倒れて、左手が動かなくなった一豊(上川隆也) 甲斐甲斐しく面倒を見る千代(仲間由紀恵) 一豊の病は重かった。「年をとって良いことは、忘れたいことを忘れることです。」 高台院(浅野ゆう子)の言葉は、なかなか含蓄のある言葉だ。 徳川家康(西田敏行…

功名の果て

今回は、千代(仲間由紀恵)が、一豊(上川隆也)の一足具足のおさ達への、 騙し撃ちに、反発して浦戸城を出てるところから始まる。 千代の「これで上がりでございますか」 と双六に一豊との二人三脚の人生を譬える。 「だんな様は土佐20万石を治める器量…

伝統と義に殉じた武将

「功名が辻」で明智光秀を、 歌舞伎役者である、大和屋の坂東三津五郎、 石田三成を成駒屋の中村橋之助が好演している。 いずれも、後世ではあまり評価されなかった武将だ。 明智光秀の「三日天下」などと揶揄され、 主君、織田信長を裏切った卑怯な武将の印…

豊臣の子

文治政治を目指す秀次(成宮寛貴)に従い、一豊(上川隆也)も、 慣れぬ読書をする。 もともと、一豊は、武闘派の武士であり、石田三成(中村橋之助) のような文治派(能吏派)とは、肌が合わない。 頭を使うよりは、体を動かすほうが、性に合っている。 「…

母の遺言

秀次(成宮宏貴)の宿老の一豊(上川隆也)は、九州攻めに行けず、 大阪に残る。 一豊と弟の康豊(玉木宏)は、才気走る康豊に、 一豊が、少々生意気に思い、兄弟げんかを度々する。 心配した千代(仲間由紀恵)は、法秀尼(佐久間良子)に相談に訪れる。 法…

一城の主

一豊(上川隆也)は、千代(仲間由紀恵)と約束した、 一国一城の主の、半分を果たした。 すなはち、長浜、2万石の大名になった。 秀吉(柿本明)が大社長になり、一豊は、秀次(成宮寛貴)の宿老となり、 長浜支店長というところか。 一豊も新右衛門(前田…

出世脱落

一豊(上川隆也)は、わずか300石の加増しか与えらずふてくされる。 登城もせず、悶々とした時を過ごす。 そんな、一豊を千代(仲間由紀恵)は励ますが、一豊の気は晴れない。 出世競争で、同僚や後進に追い抜かれることは、 現代のサラリーマン社会でも…

落城の母娘

柴田勝家(勝野洋)の、北の庄城が落城した。 時代は、秀吉の世に動いた。 いよいよ淀殿(永作博美)と石田三成(中村橋之助)の登場である。 豊臣政権の運命を担う二人。 情念の人、淀の方、智謀の人、石田三成。 関が原の戦い、大阪夏の陣と豊臣政権崩壊へ…

功名の旗

吉兵衛(武田鉄矢)が戦死した。 「山内一豊家臣、五藤吉兵衛」 山内家柏紋の旗を突き刺し、一番乗りの声を上げた吉兵衛。 敵陣に功名の旗が翻る。 一豊(上川隆也)に抱かれながらの吉兵衛の最後。 主君に看取られ亡くなるは、吉兵衛のような忠君一筋の 武…

吉兵衛の恋

1582年の清洲城。 千代(仲間由紀恵)は、お市(大地真央)に呼び出される。 お市は、千代に別れを言うために呼んだと話す。 「そちとは、敵味方となるのじゃ」 秀吉と勝家は、もはや抜き差しならぬ仲となっていた。 お市は、千代が縫った内掛けを北の庄…

蝶の夢

山崎の戦いで敗れた光秀(坂東三津五郎)は、落ち武者狩りに襲われる。 腹を刺される光秀。そこに、丁度、光秀軍を追ってきた一豊(上川隆也)の 軍が通りかかる。 光秀の一豊への、いまはの言葉は、 「山内殿、そなたは生き延びよ。生きて乱世の末を見届け…

本能寺

膝枕の信長(舘ひろし)は、酩酊となり、しばし昔を懐かしむ。 「尾張のうつけと言われた頃は、そなたの膝枕で昼寝したものよ」 お濃(和久井映見)は優しく応える。 「殿は、今もうつけでございます」 「殿は、昔はよく笑いました」 まさに、おしどり夫婦の…

「光秀転落」

筆まめの千代(仲間由紀恵)は、戦場の一豊(上川隆也)に、 家中の出来事を綴った手紙を送る。 千代の手紙は、家中のことに止まらず、夫への恋文でもあった。 他の女房たちも、はしたないとは言いながら、色めきたち、 自分も手紙を書いてみようとするが、…

「迷うが人」毒付く子りん

兵糧攻めにあった三木城の人々は、極度の飢餓状態に苦しむ。 「血を流さずに城をおとせた」と一豊(上川隆也) キィと一豊を睨み、 「槍や刀で血を流すのと、どこが違うんだ」 子りん(長澤まさみ)は、声を絞り上げ抗議する。 祖父、祖母の時代、日本にも飢…

ふたりの女優

長澤まさみ演じる子りん、「功名が辻」では、脇役ではあるが、 小悪魔子りんの、登場するのを、楽しみにしている。 「ラテン系の女性のように、演じて欲しい。」 それが、子りん演じる、長澤まさみに対する、監督の注文であった。 「自分が実際に演じながら…

心の荒野

大河ドラマ「功名が辻」で六平太と子りん、二人の忍びが、 ドラマの中で重要な役割をはたしている。 六平太(香川照之)、子りん(長澤まさみ)とも、 忍びをよく好演している。 忍びは、権謀術数の世界に生きる闇の軍団だ。 人を騙し、時には味方まで欺かな…

恋猫の旅立ち

「去り際の潔ぎよきかな恋の猫」 「功名が辻」でキュートなくノ一、子りんが退場となった。 長澤まさみ演じる子りんは、上川隆也演じる一豊を翻ろうする 小悪魔的存在だった。 「あばよ」と言って子りんは立ち去る。 何故か、研ナオコの歌、「あばよ」を思い…

「女の戦い」「妻対女」

今回、印象に残った台詞は、六平太が千代に誓った、 「俺は天下統一のためとおまえのために生きている、おまえを裏切らない」 忍びの世界は権謀術数の世界だが、 千代に対する六平太の思いは、どこかプラトニックなところがある。 アンビバレンスな心象風景…

長澤まさみ小悪魔開眼

長澤まさみが、NHKの「功名が辻」で上川隆也演じる 山内一豊を誘惑するくノ一役を好演している。 今までの清純なイメージとは違うが、 どこか初々しさが漂う小悪魔だ。 「タッチ」の南役は彼女にふさわしい役柄だったが、 小悪魔娘の小りんを演じることで…