心の荒野


大河ドラマ功名が辻」で六平太と子りん、二人の忍びが、
ドラマの中で重要な役割をはたしている。
六平太(香川照之)、子りん(長澤まさみ)とも、
忍びをよく好演している。
忍びは、権謀術数の世界に生きる闇の軍団だ。
人を騙し、時には味方まで欺かなければならない。
六平太も子りんも、そんな冷酷無比な忍びの世界に、
身を置いているからこそ、純粋な愛に惹かれたのかもしれない。
六平太の千代に対する、プラトニックな愛、
子りんの、一途な一豊への思い、
アンビバレンスな二人の心情が、そこに見え隠れする。
六平太と子りんは、忍びゆえの、心の荒野が広がっている。
自らを振り返る時、心の荒野に立ちすくむ自分がいる。
そんな心の荒野に、暖かな日差しと、慈雨を与えてくれたのが、
一豊と千代だった。
白土三平の「カムイ伝」は、忍びの厳しい掟の中で、
人間性に目覚め苦悩する、主人公カムイを描いている。
初めて人としての、恋を知った子りん。
子りんの心の荒野に、優しく微笑む恋人は現れるのだろうか。



*アンビバレンス(ambivalence)
 両面価値。ひとつのものに対して、相反する感情が共存すること。
 愛と憎しみ等。

 
*慈雨(じう)
 ほどよく潤いをもたらす雨。
 

*映画「梟の城」では、上川隆也が、 
 忍者の(石川五衛門役)を演じていた。

 

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