ぶらり浅草

先日、浅草をぶらりと歩いた。
ゴールデンウィークと云うこともあり、雷門から人混みを縫うように、
仲見世通りを歩き、浅草寺をお参りした。
浅草も一昔前は、年配の参詣客が多かったが、当日は老若男女、
様々な世代の人々が詣でていた。
ロックフラワー通りの街灯に、浅草ゆかりの芸人の顔が並んでいる。
沢村貞子エノケン牧伸二、何故か哀川翔もあった。
軒下で、こまどり姉妹のような、厚化粧の女将さんふたりが、
楽しそうに喋っていた。
こまどり姉妹の「ソーラン渡り鳥」の歌詞ではないが、
辛いことでは泣かないが、人の情けには弱い、
そんな気のよい女将さんに見えた。
歩いてお腹も減ったので、小柳のうなぎを食べることにした。
小柳のうなぎは、たんぱくで美味しい。
うなぎの小柳は、浅草中央通り沿いにある。
私は、浅草公会堂に向かって、オレンジ通りを右に曲がり歩いていった。
一歩中へ足を踏み入れると、往来の喧騒はなくなっていた。
民家風の木造建ての小柳が、昔の浅草の雰囲気を、醸し出していた。
一階のカウンターに座り、エビスの生ビールでまず喉を潤し、
卵焼き(たまや)と水茄子を注文し、酒の肴にした。
いよいよ、蒲焼を単品で注文して、日本酒とともに、食した。
カウンターからは、厨房が一望でき、職人さんの小気味よい仕込み姿が、
下町の老舗の、風情を感じさせた。
この小柳は、浅草らしく手頃な値段で、美味しいうなぎを、
食べさせてくれる。
NHK連続テレビ小説中越典子主演の「こころ」のモデルとなった店だ。
主人公の名前は、こころ、いつも下町の心意気を忘れない娘だ。
知り合いの娘さんが、今年三社祭の、神輿デビューするそうだ。
男伊達に負けぬ、粋なおあねえさんといったところだ。
浅草の灯を後に、ほろ酔い気分で家路についた。
鬼平なら「酔って候」言ったところか。



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