功名の果て


今回は、千代(仲間由紀恵)が、一豊(上川隆也)の一足具足のおさ達への、
騙し撃ちに、反発して浦戸城を出てるところから始まる。


千代の「これで上がりでございますか」
と双六に一豊との二人三脚の人生を譬える。
「だんな様は土佐20万石を治める器量はございませぬ。」
と、一豊を非難する。
一豊も意地となり、千代の暇を認め、一豊と千代が別居することとなる。
以前、秀吉の命で、三木城に水攻めをした際、
一豊は子りん(長澤まさみ)に、厳しく非難された事があった。
「槍や刀で血を流すのと、どこが違うんだ。」
と叫ぶ長澤まさみ扮する子りん。
飢餓に苦しむ人々の窮状に、子りんは我慢ならなかったのだ。
今度は、愛妻である千代からの三行半(みくだりはん)だ。
一豊の精神的ショックは、計り知れない。


千代は僧の湘南(三浦春馬)と、荒れ寺で暮らし始める。
千代のいない一豊は腑抜けとなる。
千代は、「寛猛自在」の政(まつりごと)を湘南から諭される
「寛猛中を得る」(かんもうちゅうをえる)(宋名臣言行録
国を治めるコツは、寛(ゆるやか)と猛(きびしさ)の加減こそにあると。


千代との和解の為、一豊たちが取った手段は、
一豊危篤の仮病だった。
千代は、一豊危篤の報を聞き、急ぎ戻る。
一豊は、六平太(香川照之)の軍師としての功績と千代への思いやりを交え、
懇々と千代に乱世を治めるため苦渋の決断をしたことを語り、
一足具足への、本領安堵と永年供養をすることを、千代に誓う。
国を治める要諦は、寛(ゆるやか)と猛(きびしさ)の、
バランスを取ることにあることを、一豊と千代は肝に銘じる。
夫婦の危機を乗り切った、一豊と千代。
今時で云えば「熟年離婚」を回避したようなものだ。
千代と一豊は和解する。
「口下手な旦那様がよくおしゃべりになること。」
と千代。
「千代が居らねば生きている甲斐などない。」
と一豊。
いつもの、ラブラブの一豊と千代に戻った。
アウフヘーベン止揚)をして、夫婦の絆を強くした千代と一豊。


しかし、河知山城の完成された天守閣で、山内一豊は倒れる。
眼を見開いたまま倒れる、上川隆也の迫真の演技が光った。
いよいよ、来週は、「功名が辻」も最終回を迎える。
千代と一豊の愛の結末はいかに・・・・


*「寛猛自在」は「アメとムチ」に似ている。
「アメとムチ」は、ドイツ帝国の「鉄血宰相」のビスマルクの政策。
アメとしての社会保険制度、ムチとしての徹底した弾圧法。