食の過渡期


食について、サンデーモーニングの「日本の食を考える」が、
興味深い内容だった。
巷では、マグロの漁獲の機制でマグロが、
なかなか口にできなくなる、不安が広がっている。
「もったいない」の気持ちが薄れたことが、
食に関しての、日本人の考えが変わったのではないか、
更に、子供達の教育に影響を及ぼしているのではないか、
そんなコメンテーターの言葉に、共感を覚えた。
日本の食糧自給率は40%程度。
海外からの輸入が止まると、昭和20年代後半の、
食生活になるとのことだ。
マグロが食べられない事態どころではない。


高校の日本史の教科書に、
江戸時代中期の「天明の飢饉」について記述されていた。
津軽藩(現在の青森県津軽地方)では、餓死者が十数万人に上り、
絶滅する村も多かった、とのことだ。
鎖国時代の江戸時代に日本は、何度か凄まじい飢饉に襲われている。
近年では、昭和六年(1931年)の冷害による凶作がある。
東北地方を中心に欠食児童がでたり、
幼い娘たちを都会に働きにだすようなことがおこった。
70年程前に、こうした悲惨な出来事が起きて、
やがて軍事クーデターである、
昭和11年(1936年)の2・26事件が勃発する。
クーデターの中心になった青年将校に、凶作にあえぐ東北出身者が多かった。
貧困は、内戦など政情不安を呼び、戦争への引き金になることが多い。
アフリカをはじめ世界のいたるところで、
70年前の日本と同じ悲劇が、起こっている。


地球規模の温暖化が進みつつある現代、石油や水不足も問題も深刻だ。
悲観的なことばかりでもない。
技術革新により、エコカーの開発など、
エネルギー消費を削減するテクノロジーも開発されている。
このままでは、そう遠くない未来に宇宙開発が、
現実のものとなるかもしれない。
新たな資源を求めて人類は、宇宙へチャレンジするのか・・・・
食の過渡期は、人類の過渡期もまた暗示していないだろうか。