豊臣の子


文治政治を目指す秀次(成宮寛貴)に従い、一豊(上川隆也)も、
慣れぬ読書をする。
もともと、一豊は、武闘派の武士であり、石田三成中村橋之助
のような文治派(能吏派)とは、肌が合わない。
頭を使うよりは、体を動かすほうが、性に合っている。
「人の心をあれこれ読むなどと得てではないわ。」
と一豊。
千代(仲間由紀恵)は、そんな一豊の尻を叩いた後、
優しくフォローする。
「旦那様ならできまする。」
励まし上手の千代の本領発揮だ。

秀吉(柿本明)は、鶴松の死後、何かに憑かれたように、
明国を攻める決断をする。
寧々(浅野ゆう子)は、
「もうだれもうちの人を止めることはできませぬ。」
と秀吉の暴走に、さじをなげる。
寧々にとっては、淀殿永作博美)と三成の存在は脅威だ。
「淀は何か恐ろしい憑き物が、憑いておる。」
北の政所の宿敵は、秀吉の側室であり、
若く子が産め、主家筋の血を継ぐ淀の方だ。
寧々と淀の女の戦いがある。


一方、秀吉の母が亡くなり、
駆けつけた秀吉は、号泣する。
秀吉に自ら育てた、茄子を食べさせたかった母。
庶民の気持ちを失うなという、母の息子秀吉への親心かもしれない。


孤独にして気高き女性、淀殿
淀は、二度も城を焼かれ、
実父と養父を殺され、
母も死んでいる。
姉妹とも離れ離れ、おまけに、嫌いなヒヒ爺の秀吉の側室の身。
もし、私達がそんな境遇に巻き込まれたら、
どうなっているだろうか。
淀が、精神的に尋常ならざるも、むべなるかなである。
むしろ、逞しく戦国の世を生き抜いているといえまいか。
自らの数奇な運命と戦う戦国女性として。
淀殿は、嘗て女優夏目雅子松たか子が演じていたのを記憶している。
特に、松たか子は適役であった。
当時まだ、松たか子は二十歳そこそこだったが、
梨園の娘らしく堂々した立居振舞いだった。
松たか子に、ぜひ大河ドラマに出演してもらいたい。


功名が辻」に、六平太(香川照之)は再登場したが、
子りんの長澤まさみの再登場はないのだろうか・・・・