氷点〜第二夜


「氷点〜第二夜〜゛生きる 産みの母と育ての母の対決・・・旭川富良野
 〜燃える流氷゛大自然が織りなす親子の愛と絆・・・感動の結末」
こんなタイトルが、テレビ欄に踊っていた。


このドラマの登場人物たちは、十字架を背負いながら、生きている。
陽子(石原さとみ)辻口(仲村トオル)辻口の妻(飯島直子
陽子の実の母(賀来千賀子)辻口の友人の医師(陣内孝則
眼科医(北村一輝)事務員(本上まなみ)それぞれが、
原罪と贖罪に揺れ動きながら、生きている。
生身の人間の煩悩と解脱。
そして、愛すればこその愛憎のアンビバレンス。


陽子が兄と結婚すると心に決めながら、
地震の怪我で、足の不自由になった兄の友人と、結婚することとなる。
「人の心は変わるものね。」
と陽子は、さらりと言う。
人間らしくもあり、意外に頭の切り替えの早い、
陽子の性格の一面を、表しているような気がした。


日が差し、燃え上がる流氷。
「流氷が燃えている。」
陽子が、感嘆の声を上げる。
陽子の魂の煩悩が、燃やされてゆく。
天に召されてゆく、彷徨する苦悩。
陽子の心も浄化される。
心の氷点は誰にでもある。
そんなことを、「氷点」を視て新たにした。


  『流氷の揺るる炎(ほむら)となりにけり』


「ああ、流氷が燃えているわ。」
燃える流氷に出会い、陽子が感動するシーンを、俳句にしました。