銭湯の思い出


子供の頃、家に風呂はあったが、たまに銭湯に行った思い出がある。
お祭りになると、町内会で風呂券を貰い、
友だち同士で、近所の銭湯に祭りで掻いた汗を流しに行った。


東京の銭湯が減り、下町の人情も薄くなったような気がする。
TBSの向田邦子原作、森光子主演の、「時間ですよ」という番組があった。
「松の湯」という銭湯を舞台にした、人情溢れるドラマだった。
堺正章天地真理浅田美代子など、当時の若手スターも登場していた。
浅田美代子が「赤い風船」を、堺正章が「街の灯」を劇中歌として歌っていた。
その後の「時間ですよ」シリーズには、とんねるず石橋貴明木梨憲武
少年時代の、スマップの中居正広香取慎吾草薙剛が出演している。
更にアイドルだった、チェッカーズ藤井フミヤ工藤静香も出演していた。
この「時間ですよ」の二作目が放映された昭和40年代後半に、
銭湯の減少が始まっていた。
風呂付の家やアパートも増えてきた時代だ。


大人になっても、何故か銭湯が懐かしく、
西新宿に住んでいたとき、わざわざ甲州街道を渡って、
文化服装学院の裏にある、銭湯に行ったことがある。
風呂屋の大きな富士山の絵と、風呂上りの牛乳が好きだった。
因みに、銭湯と豆腐屋新潟県人が多いそうだ。
日銭が入る堅実な商売であり、夜星朝星の働き者の越後人に、
合う商売だったのだろう。
もう10年以上、私は銭湯には行っていない。