大正まで生きた将軍


徳川慶喜の葬儀の話を、明治生まれの、
祖母から聞いたことがある。
江戸幕府最後の将軍慶喜の話を、身内から聞くことで、
江戸時代の歴史の教科書や、時代劇の話といった、
遠い昔の話でない、将軍慶喜が身近な存在に思えた。
「その後の慶喜」家近良樹著を読んだ。
将軍の座を追われた後、長く平凡で充実した人生を送った
第15代将軍、徳川慶喜
この「その後の慶喜」は、将軍を退いた後の、
明治時代の慶喜が良く書かれていて面白い。
写真を趣味とするなど、進取の気質に富んだ慶喜


慶喜は、大正2年(1913年)11月に逝去している。
当時、私の祖母は17歳で、東京湯島に住んでいた。
17歳の少女だった祖母に、
最後の将軍の葬儀の行列はどのように、映ったのだろう。
以前、大河ドラマで、元シブガキ隊の本木雅弘が、
徳川慶喜を演じていた。
クールな、頭脳明晰な将軍慶喜を好演していた。
私の中で、最後の将軍は幕府を潰した暗愚の存在だったが、
本やテレビの情報で、むしろ知に富んだ人物に、
次第に変わってきた。
歴代の徳川の将軍では、享保の改革を断行した、
8代将軍徳川吉宗が好きだ。
そして、この15代将軍徳川慶喜も好感を持ちつつある。