『 陽炎のねんごろなるも一期かな 』


夏の日、ゆらゆらと陽炎(かげろふ)が立ち昇ることがある。
透きとおった炎のように見えることがある。
白いけむりが、からみあいながら消えてゆく姿は、
どこか、ねんごろなる男女にも似ている。
しかし、陽炎ゆえに男と女は、たまゆらのふれあいなのだ。
やがて強い日差しに消えゆくのみの刹那の恋なのだ。
陽炎は別名、糸遊(いとゆう)とも呼ばれる。
中森明菜の「陽炎」の詞も珠玉の言の葉だと思う。
傾聴あれ。


たまゆら(玉響)
 ほんのしばらくの間という意味。


*刹那(せつな)
 ひじょうにみじかな時間、〜した瞬間。


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