季節の境界線


冬将軍の到来で、大晦日と元日は寒いとの気象情報。
こうした気象現象は、
大規模な大気の流れにより起こる。
しかし、ごく限定的な気象条件で、
劇的な現象が起きることもある。


例えば昨日は、ほんの15キロ離れているだけで、
気温が10度以上違うアメダスの気温分布が起こっていた。
それは、茨城県龍ケ崎市つくば市である。
昨日12月30日午後11時の両地点は、
10度の気温差があった。
つくば市は0度、
龍ケ崎市は11度と、まさに冬と春。


私も車で、龍ケ崎からつくばまで走ったことがあるが、
関東平野が続く、起伏のない平地である。
きっと龍ケ崎からつくばに、
つくばから竜ケ崎に行かれた方は、さぞかし気温の違いにビックリしただろう。


さて、この著しい気温の違いはどうして起こったのか?
その原因は、風にある。
龍ケ崎では風速7メートルの強い南西の風が吹いており、
つくばでは、西北西の風が2メートルであった。
龍ケ崎の南寄りの強風とつくばの北寄りの弱い風。


関東の南部、東京から龍ケ崎より南では、南西の風のため、
アメダスの観測では気温は10度以上の地点が多かった。
ところが、それより北では、一桁か氷点下の気温の地点が多かった。


東京の都心が11・5度を観測した12月31日午前0時、
さいたま市では、1・5度であった。
実に気温差10度。


南西の風が暖気を運び込み気温を上げていたのだ。
一方、北の地域では、風も弱く放射冷却状態になり冷え込んだ。
見事なまでの季節の境界線だ。
時として、限定された地域でも、
こうした劇的な気象現象が現れることがある。