六本木メルシー


六本木交差点のアマンドの分かれ道を、
スウェ―デンセンターに続く細い道を下りて、
2〜3分の所にシャンソン喫茶の「メルシー」はあった。


学生時代、シャンソンやジャズを聴くことが好きだった。
この「メルシー」も一度行ってみたかったシャンソン喫茶だった。
そしてある土曜の昼下がり、
私は六本木を散策して、「メルシー」を探した。
恋の微熱のような気分で六本木を歩いた。
六本木の坂の途中にある、それだけを手がかりに・・・・


シンプルで、落ち着いた雰囲気のお店だった
コーヒーを飲み、シャンソンを聴き、文庫本を読み、
小一時間居たのを覚えている。
それは華やかなダイヤというより、真珠のようなひとときだった。


当時私は金子由香利が好きだった。
そして今も好きだ。
アポリネールの「ミラボー橋」が・・・・・