優しい拳骨


本田静六著の「私の財産告白」をたまに読むようにしている。
ごく当たり前のことを書いているのが、
含蓄があり、どこか厳しくも優しい父の威厳を感じる。


「真の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がず、休まず、
 自己の本職本業を守って努力を積み重ねていくほか、
 別に名策名案がないのであって、手ッ取り早く成功せん
 とするものは、また手ッ取り早く失敗してしまう。」


「私の財産告白」 本田静六著



「自己の本職本業を守って努力を重ねる」
これしか真の金儲けはない、と本田は説く。


競馬で大儲けした学生が、学業志半ばで、
遊行の果てに破産してしまい消息不明になった。
そんなエピソードを交えて、「本職本業の」
の大切さを本田博士は強調する。


金利商品・マルチ商法等、私たちの周りには甘い誘惑も多い。
そんな事業で、もし失敗でなく小成功したら、
「本職本業を」を忘れそちらに血道を上げるだろう。


たまにこの本を読むと親父から拳骨を貰った気持ちになる。
厳しくも優しい拳骨を・・・・