ご機嫌ななめ・・・


先日、馴染みのクラブにおじゃましたときのこと。
顔なじみの方とカウンターで飲みながら、
話をしたり、カラオケを歌ったり和やかな雰囲気で時が流れていた。
ただ、今日のママさんは、
「こんな貧乏したことないよ」
とお店が暇なのか愚痴っぼい。


小一時間過ぎた頃、チーママが15人ぐらいのお客を連れてきた。
花束などをお持ちのお客様もいて、送別会なのかなと思った。
気を遣ってママさんに花を差し上げている方もいた。
俄然、お店がにぎやかに・・・・
「これで商売繁盛だな・・・」
と思いながらママさんの顔を見るとまだ不機嫌。


ママはおつまみやお酒の用意と大忙し。
チーママたちもフル回転。
どうもカウンターにいると聞かなくていいやり取りも聞こえてくる。
「もう、頭にくる料理残して・・・」
ママさんはどうやら沢山あまった料理を見てさらにご機嫌ななめ。


「私も担当のチーママが付いてないんだけどな・・・・・」
とは心のつぶやき。
顔なじみのお客さんも終電の時間で帰るとのこと。
「ひとりで淋しいな」
そんな漠然とした孤独感が走る。
いつのまにか団体客の他は、私一人になっていた。
「そろそろ帰るよ」
と私。
「もう少しいてくださいよ」
とヘルプのホステスさん。
今日は少し酔い気味で腕を組んできた。
熱心に身の上話も・・・・
「もう一時だから清算してもらえるかな」
と私。
「うん、わかりました。チーママには目配せしてたんだけど・・・」
ヘルプのホステスさんも、さりげなく気を利かせてくれていた。


私自身は、あまり腹も立たなかったが、
妙に心が冷えていた。
元気を貰いに来たのにな・・・・
それが正直な気持ちだった。