日本語という書き言葉


欧米のアルファベットは26文字。
ところが、日本語には漢字・ひらがな・カタカナがある。
中国は漢字・韓国も基本的にはハングルになっている。
日本語の書き言葉は、漢字から始まり、
かな・カタカナが生まれた。
韓国は、もともと書き言葉は漢字だったが、
現在ほとんど漢字は使用されずハングル文字になっている。


欧米の留学生は、かなりこの書き言葉の日本語に悩まされている。
漢字・ひらがな・カタカナを縦横に使用する日本語。
「なんとかならないの」
そんな感想を述べていた留学生もいた。


デジタル思考で考えれば、日本語は非合理的書き言葉だ。
純化しつつ的確に情報を伝達するには、
英語は適している。
同じアルファベットでもフランス語には男性名詞・女性名詞がある。
一方日本語は、情緒的な書き言葉だ。
文字を見ただけで、なにかイメージが浮かんでくる。
例えば「亀」という漢字からは、「かめ」をイメージできるし、
カステラといったカタカナからは、外来語だと分かるように。
仮名は、女性的な柔らかな印象があるし、
俳句や短歌は微妙な漢字と仮名の差異を駆使した文芸だと思う。


世の中、デジタル化が進んで、
どちらかと言えば、日本語もデジタル化に向かっているようだ。
これも時代の趨勢だろうが、
日本語から艶が薄れることを憂う気持ちが強くなっている。