モノクロの美しさ


若尾文子主演の「越前竹人形」を久しぶりに見た。
「鶴の恩返し」「雪女」を思い出させる、
薄倖ゆえに美しいモノクロの美しい女性、
玉枝を若尾文子が演じる。


遊女玉枝のエロスは、
障子越しの肢体にある。
独り身で床につく玉枝の表情は艶めかしい。
抑制された性の横溢があるからこそ、
艶があるのだ。
肉体と精神のアンビバレント


風に靡く竹林。
それは玉枝の心象風景に思えてくる。
愛する男が抱いてくれない淋しさ、哀しさ。
あのバブルの頃のトレンディードラマを境に、
消えていった美しい日本の女性の世界・・・・