ちいさいおうち


こどものころバージニア・リー・バートン作、
「ちいさいおうち」という絵本が心に残った。
それは、祖母の昔語りとダブったからかもしれない。
明治、大正・昭和とめまぐるしく変わった日本。
馬車や人力車から自動車へ・・・・
蒸気機関車から新幹線・・・・
お月さまに人間が歩く世の中に・・・・
そんな日本の庶民のひとりとして生きた祖母。
絵本の「ちいさいおうち」の如く、
大きく祖母のまわりの環境は変わった。
70過ぎの祖母が、マンションに住むことになり、
洋式トイレを極端に嫌っていたのを思い出す。
「こんな憚り(はばかり)じゃ出るものもでない・・・」


ちいさいおうちは、のんびりとした田園に建っていた。
ところが時が流れ、ちいさいおうちの周りには、
文明が押し寄せてきた。
自動車が、ビルが・・・・
ちいさいおうちは、どこか人間の顔のよう・・・・
おうちの周りが変わり、ちいさなおうちの顔も変わって見える。
この大震災で、昨日と今日で大きく日常が変わってしまった。
日本は世界の中のちいさいおうちなのか?
ちいさくても強い足腰のおうちを作りたい。