思い出の銀座


子供の頃の父とのドライブの思い出。
高速横羽(よこはね)線を羽田で乗る。
右手に東京国際空港の飛行機を見ながら、
車は都心へと向う。
芝浦辺りは倉庫が立ち並び、
モノレール越しに東京湾の海が見えた。
夢の島がまだ、ゴミの島の時代だ。
そしてコロナマークⅡは銀座へ・・・・


父は「待ってろよ」と言い残し、
子供の私と弟二人を残し銀座の場外馬券を買いに行っていた。
ちょっと心細かったが、
人間ウオッチングも面白かった。
しばらくすると父が戻ってきて、
「さあスエヒロにするかアスターにするか・・・」
ビフテキか中華ということになる。
当時、ステーキを庶民はビフテキと呼んでいた。
先日、芝白金三光町を歩いていたら、
ステーキのお店に「ビフテキ」と書いてあり懐かしかった。
ああ、銀座に行くと美味しい物が食べれる。
これが楽しみだった。


銀座の「不二屋」へのあこがれも強かった。
「ああ、不二家のケーキが食べたい」
それも銀座の不二家のケーキが・・・・


「ミルキーはママの味・・・」
のミルキーも忘れられない味。
そして何といっても不二家ネクター
それも桃のネクターは、まさに別の高級ジュースだった。


銀座は大人の街。
そんな大人の街銀座に、
子供の頃、連れて行かれたことは、
とても貴重な体験だったと思う。