2011-09-07 名誉教授の歯 エッセイ 先日、お世話になっている名誉教授のお見舞いに伺った。 名誉教授は伝統ある歯科大のご出身。 先生は腰痛がひどくなり、入院された。 「昔は立って患者さんを看ていたから、 腰をやられるんだ」 と、笑顔で話されていた。 そしてビックリしたのは笑顔の歯が綺麗なこと。 御年86歳とは思えぬしっかりした歯並びだった。 ともすれば、患者さんの歯ばかりに気を使い、 自らの歯の手入れを怠る歯医者もいる。 こうした紺屋の白袴になりかねないお立場の先生だが、 まことに立派な歯は歯科医師の勲章のように輝いていた。