『フェルメールからのラブレター展』


渋谷東急文化村の「ザ・ミュージーアム」で、
フェルメールからのラブレター展」を鑑賞。
フェルメールを鑑賞しながら、
レンブラントの片影が私の脳裡を覆っていた。
レンブラントの陰。
フェルメールの陽。
どちらも光と影の魔術師・・・


ヨハネス・フェルメールの「手紙を読む青衣の女」
が印象深い。
まずウルトラマリンによる、
フェルメールブルーの技法も注目すべきだろう。
しかし彼の真骨頂は、
日常の一齣を描くことで潜在的な意味を持たせている構成力だ。
例えばこの「手紙を読む青衣の女」だ。
明るい青い部屋着を纏った若い女が手紙を読んでいる。
女はやや口を開き文面を読んでいるかのようだ。
手紙は夫からなのか恋人なのか・・・
彼女のふくよかなお腹は、
新しい命が宿っていることを暗示しているかのようだ。
女のバックに描かれた二つの椅子とネーデルランドの地図。
この椅子と地図は手紙の主が不在である事の示唆のように思える。
遠く離れた男からの届いた恋文を読む女・・・
そんな想像を掻き立てる魅力的な絵画だ。