あの本はどこへいってしまったんだろう!


私がとても好きだった本、庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」
ある日、兄がニコニコして私にプレゼントしてくれたのが、
作者庄司薫直筆のサイン入り、
おまけに私の名前入りの「赤頭巾ちゃん気をつけて」の本だった。
私はうれしくてうれしくて飛び上がりそうだった。


当時私は小説の主人公、薫君と同じ18歳だったと思う。
(薫くんのような東大受験生ではなかったが)
18歳の私は相当庄司薫イカレテいて、
白鳥の歌なんか聞こえない」「さよなら怪傑黒頭巾」
「獏の飼い主をめざして」「狼なんかこわくない」
「ぼくが猫語を話せるわけ」
などを楽しくもスリリングに読んでいた。


薫君に影響されて東京を散歩するのが趣味で、
取り分け南麻布の有栖川公園がお気に入りだった。
散歩コースは恵比寿から広尾や麻布にかけて歩くのが好きだった。
生垣の花や草木を見るのが楽しかった。
そしてふらりと喫茶店に入り、本を読んだりするのが・・・


ところであの本が見当たらないのだ。
そう庄司薫直筆の「赤頭巾ちゃん気をつけて」が!
どこにいったの赤頭巾ちゃん・・・