一通の手紙


一通の手紙が届いた。
俳誌に投句をしてほしい。
わたしに会いたいという旨の手紙だった。
手紙の主は、私が所属する俳句の主宰から・・・


主宰はもう齢七十を過ぎたのではないか・・・
先代の主宰が亡くなられて俳句の結社を承継して七年になる。


「貴兄の顔が浮かびこのようなお願いをする気持になりました。」
そんな文面に心が動かされていた。
主宰とは親子ほど年が違う。
そんな私に「貴兄」と敬意を表して頂き恐縮している。
会費は納めているが、
俳誌にはもう10年近く投句をしていないし、
俳句の結社の方とは、20年近くお会いしていない。
謂わば私は幽霊会員なのだ。
そんな私に声を掛けて頂いたことは嬉しいことなのだが、
ご無沙汰ばかりの身ではお会いするのも憚れ、
少し気が重いのも確かだった。


今朝、ある夢を見た。
その夢で何かが氷解した。
主宰と連絡を取り、お会いすることに決めた。
終わりでなく始まりとして・・・