南と美奈さん


あだち充「みゆき」が印象深い。
何故か「みゆき」は感動していた。
血の繋がらない兄妹の愛。
軽いタッチのラブコメだったけど、
重いテーマでもあった。


ところが、「タッチ」には当初違和感があった。
学生時代後輩が熱心に読んでいて、
本を借りて一巻二巻と読んだけど、
あしたのジョー」や「巨人の星」を読んでいたものには、
どうも軟弱でいけなかった。
スポ根ものにどっぷり浸かっていた当時、
まさにアンチテーゼとして存在した「タッチ」は、
異色であった。
達也・和也・南の微妙な三角関係には興味を持ったけど・・・


今日久しぶりにテレビで「タッチ」を見た。
なかなか面白い。
ポップな感じがいい。
南役の日高のり子の声が可愛い。
「南を甲子園に連れてって・・・」


でも、やっぱり「巨人の星」の美奈さんが好きだ。
「星さんに巨人の星があるのなら美奈には黒い星の秘密があります」
宮崎の山奥の診療所で働く十七歳の美奈。


「そこは星さんにとって美奈より大切な場所だから」
瀕死の状況で、マウンドに立つ星を心配させまいとする美奈さん。
薄倖の女性だったけど、
そんな彼女が当時のわたしには猛烈にいじらしかった。