夢じゃないよ・・・


久しぶりに父の夢を見た。
「病院から退院してきた」
と、にこやかな父。
「お父さんは亡くなったんじゃないの」
と私。
「あんなに少ない骨が俺の骨だというのかい」
「あれは俺の骨じゃないよ」
どうやら大柄な父は、火葬の骨が僅かなので、
その骨は自分じゃないよ、
この通りまだ生きてるよと伝えたかったようだ。
そんな父を見て嬉しいのだが、
何故か私は父に、
「これは夢を見ているんだね」
と言ってしまう。
父は私に
「夢じゃないよ」
と言って笑っていた。
そして私は夢から醒めて
爽やかな気持ちになっていた。