一流と高級


子どもの頃、
日本橋の榮太楼の飴を食べたことがあった。
子どもながら駄菓子屋の飴と違う、
円やかな甘みを感じた。
そんな榮太楼の相談役が粋な着物姿で、
一流と高級の違いについてお話をされていた。
「高級は金で買えるけど一流は金で買えない」
「一流の芸術家とはいいますが、高級な芸術家とかいいますか」
そんなことをおしゃっていた。
日本橋は庶民的な老舗が多い。
榮太楼の飴や山本山の海苔、にんべんの鰹節など。
こうしたお店は日常生活に密着した品物を扱う老舗で、
高級店の印象はあまりない。
日本橋は気宇壮大(きうそうだい)な街ですね」
と司会の嶌信彦氏がおしゃっていたが、
まさにそんな街だなと思った。