小唄始め


小唄のお稽古を始めた。
日本橋人形町(芳町)がお稽古場。
師範は、日本橋の商家の御婦人。
小唄のお師匠さんらしい凛とした方。
私の前のお稽古の方は、
30代ぐらいとおぼしき、IT関係の女性社長だった。
社長は小学生の女のお子さんを連れてのお稽古。
女の子も小唄を唄っていた。
ちょっと後ろを向いて、
私ににっこり微笑んだので、
私もにっこり。
おきゃんで可愛い女の子だなと思った。
それにしても初稽古だけど厳しかったな・・・


演目は「腹の立つ時きや」


はらの 立つ時きや 茶わんで 酒飲めど のめぬ 飲めぬ 酒なら

助けても やろが 嫌ならすいきょうな おかしやんせ


お師匠さんの三味線と唄に合わせて私も唄う。
爪弾き三味はサビのある柔らかな音色を奏でる。


「もう一度」「もう一度」
とお師匠さんから何度も繰り返し指導された。
お稽古が仕舞いになって、
お師匠さんが、
「清元でもおやりになっていた。」
と尋ねられたので、
「いいえ私は清元の心得はありませんが、父が清元をしておりました。」
と答えると、
「道理で、あなた清元節の節回しでしたから、
 初めての方じゃないと思ってお稽古しました。」
とおっしゃっていた。
芳町の元芸者さんも、
「あなた清元の節回しでしたよ、あたしも清元やってたのよ。」
と話されていた。


お稽古の後は、
人形町の料理屋で、
お酒を飲みながらお師匠さんを囲んで歓談をした。