客引き・・・

その日私は錦糸町の南口を駅に向かって一人で歩いていた。
突然、中国系?っぽい30前後と思われる小綺麗な女性に声を掛けられた。
その夜は、少々私は酩酊状態。
店だったか、部屋だったか御一緒にと言われたような気がした。
「今日は帰るんだ」
と断ると、「じゃあ飲みにいきませんか」
と美人に誘われ、少々心が揺らいでしまった。
「う〜ん飲みに行くだけならな・・・」
と曖昧に答えると、
物凄い力で腕をつかまれた。
その時の腕の痛みで、我に返った。
「こいつは客引きだ!」


その客引きの女性は、
もうひとりの客引きの女性を呼んだ。
客引きの連携プレーだ。
私は二人の女性に両腕をつかまれた。
「離してくれないか、痛いよ」
と言うと、
「飲みに行くだけだから」
と何度も言っていた。
相変わらず私の腕はブロックされていた。
そこで、
「帰らして」
と最初に誘ってきた女性の耳元に優しく言うと、
「もういいよ」
と言って、もう一人の女性に目配せして手を離してくれた。
家に帰って腕をみると軽く痣が残っていた・・・