詩
東の空が染まる。 太陽が昇る。 今日が始まる。
メーテルに 終着駅は なかりけり 「銀河鉄道999」のメーテル 彼女に終着駅はない。 メーテルは永遠の旅人。
しゃがみこむ さみしんぼうの 夏の影
越後の女は 雪割草 情けで雪を 割って咲く
紅蓮の月に住む兔魔法のコトバを唱えたら波乗りしている宇宙の海
タロットカード 捲る女 ひと言微笑み 「幻へようこそ・・・」
洗いたてのシャツが 秋の風に気持ちよさそうに揺れている ラジオからボーイソプラノの澄んだ声が聴こえる ほほに風を感じたい そうだ 出かけよう
水に差した薔薇は いつしか黒薔薇になっていた 不思議の国のアリスは 魔法使い
一人のちいさな手から 希望が生まれますように
雨の日はうれしいの だって人魚になって あなたに逢えるから
人は明かりの灯る方へ 蛍は暗き闇の方へ
ガラスの向こうのあなた こんなにも近くにいるのに 回転扉は回り続ける
さみしくて 鉄棒で逆さになって見た夕日
朝陽って 神様が卵を割った 黄身のようだ
ふたりは別々のドアから入り ひとつのドアを閉めたのでした
半月は 弓張月と 申し候
あのひとは 薔薇と指切りしているのです 白い指に血を滲ませて 薔薇と指切りしてるのです 棘の痛みを知りながら 薔薇と指切りしてるのです
ガラスのバイオリンは初恋のよう 綺麗だけど音が出ない 木のバイオリンは音が出る 生きているから音が出る
白いページに サルビアの花を挟んで 恋は終わりました
うさぎは跳ねたいのです 月のうさぎは飛び跳ねたいのです 皓皓と夜の海を照らす月に うさぎは閉じ込められ いつしかうさぎは 水面で 一輪の白い花になりました
ささやくようにさくらのはなびらは わたしたちにふりそそぐのでした
いま目覚めたこどものように 目覚める桜
そうあの丘の上の 花時計は咲いていますか・・・
フランスの詩人、アルチュール・ランボーの詩 「永遠」 『永遠』 あれが見つかった 何が?永遠 太陽と溶けあった 海のことさ ランボー全詩集 宇佐美斉訳 沈む太陽、海に溶ける瞬間ランボーは永遠を発見する。 それは、アインシュタインの相対性理論の閃めき…
悲しみの極みに雪へと変わるのか
今宵あなたは月のマリオネット 月の明りに踊るマリオネット
置きざりにした悲しみは 背中を見送る泣き笑い
砂の道 ハマナス咲き 色褪せない地図を握りしめ 再会の旅は続く
腹いっぱい お腹をさする 幸せよ・・
空よ耳を澄ませよ ぼくはここにいるよ