シクラメンのかほり


年末、シクラメンを三鉢いただいた。
真綿色を二鉢、紫紅色を一鉢。
二月十四日のバレンタインデーの今日も咲いているので、
かなり日持ちがする花だ。
私はシクラメンというと、布施明が歌った
シクラメンのかほり」を思い出す。
特に好きなフレーズは、

“疲れを知らない子供のように
 時が二人を追い越してゆく
 呼び戻すことができるなら
 僕は何を惜しむだろう”

今でも三十年前の歌だが諳んじて口ずさむことがある。
確かに時は“疲れを知らない子供のように”
無邪気に、そして残酷にわたしたちを通り過ぎてゆく。
ふと振り返ると、思い出という甘美にしてにがいものが
蘇ることがある。
三鉢のシクラメンは2005年を生き、2006年の今日も
可憐な花を咲かせている。
花に水など遣ることのなかった私が、家のシクラメン
鑓水をしている。
私は、シクラメンの清清しいかほりに少々感傷的になったの
かもしれない。








人気blogランキングへ