『恋人の淡雪となり召されけり』


中島みゆきの「雪」をイメージして句にした。

   
    “雪 気がつけばいつしか
     なぜ こんな夜に降るの
     いま あの人の命が
     永い別れ 私に告げました”


雪降る夜、最愛の恋人が天に召される。


     “あの人が旅立つ前に
      私が投げつけたわがままは 
      いつかつぐなうはずはずでした
      抱いたまま 消えてしまうなんて”


愛する人が逝く前に投げつけたわがまま、
つぐなうにも淡雪のごとく消えてしまったいま
慙愧のなみだにくれ、立ちすくむしかない。
炎ように激しく、
ガラスのように壊れそうで繊細な女性の姿がある。


     “手をさしのべればいつも
      そこにいてくれた人が
      手をさしのべても消える
      まるで 淡すぎる 雪のようです”


純白の雪降る中、愛するひとの命のともし火も消えてしまう
愛しいひとは白い炎となり天に召されて逝く




※「雪」は「臨月」というアルバムに収められている一曲である。
アルバムのすべてが中島みゆきの作詞、作曲となっている。
「臨月」の「あわせ鏡」「友情」「夜曲」の三曲のアレンジを松任谷由実の夫、松任谷正隆が担当している。


※慙愧(ざんき)
自らの罪を恥じること
蓮如の教えの真髄になっている
『朝には紅顔ありて、夕に白骨となる身なり』(蓮如、白骨の御文)



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