俵万智の発見

俵万智が、未婚の母になったと知ったとき、
『サラダ記念日」の少しはにかんだ、乙女チックな
印象があったので、少々驚いた。
そんな俵万智の恋愛と子育て俳句を、二首抜粋してみる。


排卵日に合わせて愛し合うことの
正しいような正しくないような


この短歌では「排卵日」という語句が、よく歌に生かされている。
生命を生み出すという崇高な行為でもある愛し合う行為、
それは自然に任せることなのではないか。
それを思うとき、
排卵日に合わせ愛することに、神聖な男女の営みを
ぼうとくすることにならないか、少し戸惑う女性の姿がある。


ろうそくの炎初めて見せやれば
「ほう」と原始の声をあげたり


わが子の成長を通して、日々新しい発見をする作者。
ろうそくの炎を初めて見せたとき、「ほう」と声をだすわが子。
子供の成長を、愛しむ母の視線と、「原始の声」とわが子を、客観的に表現する
歌人としての作者。母と歌人俵万智の二面性がある。
子育てを通して、母として歌人として成長する作者を、よく活写した短歌だと思う。


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