雨の日の読書

7月も半ばだが、雨の日が続いている。
まだまだ、梅雨は明けないようだ。
雨に濡れて、紫陽花は喜んでいる。
向日葵は少々出番が遅れているようだ。
こんな雨の日は、読書でもして、沈思黙考するのもよい。
そこで、5冊本を購入した。


「情と理」後藤田正晴著 カミソリ後藤田回想録
「武士道」新渡戸稲造著 奈良本辰也訳・解説
百鬼園随筆内田百輭
三好達治詩集」三好達治著、河盛好蔵
「祖国とは国語」藤原正彦

詩集、エッセイ、回想録と様々だが、
マイペースで読んでいきたい。
まずは、「三好達治詩集」を読み始めた。
私は、初期の作品、「測量船」が好きだ。
抒情と感傷のアラベスク
中でも、『甍のうえ』に魅かれる。
詩の一部を、抜粋してみる。


『甍のうえ』

あわれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり


音読すると、スーと胸の奥に、言の葉が遊びに来てくれる詩だ。


この『甍のうえ』から連想する映画がある。
吉田秋生原作の漫画を映画化した「櫻の園」だ。
中原俊監督、主演は中嶋ひろ子。
取り分け、つみきみほの淡々とした演技が光っていた。
時は春、チェーホフの「桜の園」を公演する事になった、女子高の演劇部の、
公演2時間前からの、ドキュメンタリータッチの映画だった。
春色の映像が、印象に残っている。

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