「言志四録」(げんししろく)


   学は立志より要なるは莫し。


   立志もまた之を強うるに非らず。


   ただ本心の好む所に従うのみ。


   「言志四録」佐藤一斎


学問には高い志が肝要だ。
しかし、それは、他人から強要されることではなく、
自らの、意志によるところ、好むところに従うべきだと説く。
こうした、硬い人生訓、私には新鮮に感じる。
ややもすれば、私自身、のどごしのよい知識ばかりを食べ続けているので、
硬い米の飯を、よく噛んで味わうことも必要なのかもしれない。
「ただ本心の好む所に従うのみ。」
こうした、知的態度を実現できた、人生は楽しいだろう。


  少にして学べば、即ち壮にして為すことあり。

  壮にして学べば、即ち老いて衰えず。

  老いて学べば、即ち死して朽ちず。


  「言志四録」佐藤一斎


学ぶことに、終わりはない。
継続は力。
そして、喜びでもある。
学問を研鑽し、
自らの人格も磨かれる。
道は嶮しい。
高村光太郎の詩、「道程」のように。


*「言志四録」佐藤一斎は、西郷隆盛も座右の書にしていた。
 小泉純一郎首相も総理就任の際、佐藤一斎を引用した。