純情きらり最終回

純情きらり」は、見る側に、
人生を考えさせる、最近では稀有な番組であった。
かく書いている私も様々なことを考えさせられた。
家族愛、恋愛、音楽への愛、友情、師弟愛、感謝の気持ち。
最近のドラマにはない、桜子(宮崎あおい)の人生を通して、
何かを考えさせてくれる、そんな番組だった。
今日、最終回を視て改めてその思いを強くした。
市井(しせい)の人生の尊さを、胸に刻んだ。


愛し、愛された桜子。
助け、助けられた桜子。
人生を支え、支えられた桜子。
生かし、生かされた桜子。


「私は音楽のなかに生き続ける、達彦さんと輝一ちゃんと一緒に。」
「達彦さんは、ちっとも寂しくないよ、私は音楽の中におるから。」
「いっぺんでいいから輝一のことを抱きたかったな。」


桜子は、十分に生きた。
桜子は、十分に輝いた。


達彦(福士誠治)笛子(寺島しのぶ)杏子(井川遥)たち家族に
見守られ、今生の別れとなる桜子が、
命を賭けて産んだ輝一を、手を伸ばし抱こうとする姿が
印象に残った。
そして、桜子の人生に、達彦、冬吾(西島秀俊)といった男性が、
深く関わり、影響を与えたことは確かなことだろう。
ただ、桜子の音楽をはじめとした人生を導いたのは、
父親源一郎(三浦友和)ではないだろうか。
そんなことを、ふと思った。


意味のない人生なんてない。
輝きのない人生なんてない。


それが「純情きらり」を流れる、主調音なのかもしれない。



*なんとなく,BSで放送していた、
ミュージカルの貴公子、井上芳雄が歌っていた、
『HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING?』
を、「純情きらり」を視て思い出した。
この曲は、「千と千尋の神隠し」を作詞した覚和歌子(かくわかこ)が、
訳詩をしている。
こんなフレーズが、桜子の人生と重なった。


  ああ 何度も生まれかわっても

  かならず 愛したのだろう

  その深さと 眩しさの 謎を

  HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING?

  ひとはみんな

  夢とひとしいものから 生まれてる

  目には見えないけど 聞こえるはず