秋刀魚の季節


食欲の秋だ。
秋刀魚の季節だ。
子供の頃から食べなれていることと、
安価であること、何よりも美味しいことだ。
特に塩焼きが好きだ。
私は、大根おろしを添え、食べている。
子供の頃は、魚より肉の方を好んだが、
この頃は、魚、それも秋刀魚や鰯といった、
光り物を良く食べるようになった。
焼いたり、煮付けにしている。


メタボリック症候群、一歩手前の私には、
青魚は、ヘルシーな食材だ。
そういえば、韓国に出張して感じたのは、
あまり肥満の方がいなかったことだ。
ガイドさんによると、キムチのお陰だそうだ。
キムチは、最高の健康食品とのこと。


秋刀魚を七輪で焼く風景は、平成には見られなくなった。
昭和の風景は、遠くなりにけりだ。
そういえば、小津安二郎監督、岩下志麻主演の、
秋刀魚の味」という映画があった。
婚期の娘(岩下志麻)を中心に、人生のほろ苦さを感じさせる映画。
ユーモアとペーソスを交え、
小津作品独特の淡々としながら、劇的な人生模様が描かれていた。
ほろ苦い秋刀魚の味を、人生に重ね、
小津安二郎が絶妙な味付けをしていた。
ほろ苦い人生経験を、少し私も経験した。
素朴な秋刀魚の味に、
最近、惹かれる私だ。