銀座百点


銀座の老舗の買い物で楽しみなのは、「銀座百点」が置いてあること。
「銀座百点」は、銀座の老舗百点会がスポンサーになっている、
エッセイを中心とした小冊子。


例えば銀座100点の店は、
洋装では、「銀座 英国屋」 和装の「銀座 くのや」
バック・靴では、「銀座 タニザワ」 趣味・画廊の「日動画廊
生活一般では 「明治屋」 日本料理の「久兵衛
菓子・喫茶は「銀座 千疋屋」など錚々たる老舗揃いだ。


これらの店には、この「銀座百点」が置いてあり、
買い物をすると無料で、この小冊子を頂ける。
私の手元にある一冊は、少々古く2004年の12月号。


巻頭は、ただいま、芝居に夢中〜銀座ではばたく若き才能〜
と銘打って、中村獅童藤原竜也を特集している。
中村獅童藤原竜也が対談をして、それぞれの演技を語っている。
当時、二人は、大河ドラマ新撰組」で共演していた。


藤原が獅童についての感想と、自らの現状を語っている。


獅童さんは、うまい具合にその役をぶっ壊して新しいものにしている
ように見える。ぼくは今、一つのトンネルを抜けて、よくなってきている
とは思うんですけど、ほんとうに今までの自分を否定して、
新しいものをださなければ通じないところにきているので、
ちょっと難しいですよね」


「うまい具合にその役をぶっ壊し新しいものにしている」
と言う、藤原竜也中村獅童評は、的を得ている。
丹下左膳」の芝居も従来の左膳を壊し、獅童左膳にしていた。
しかし、中村獅童に歌舞伎という裏づけあるからこそ、
可能ならしめる技でもある。


「銀座百点」では、こうした様々なジャンル、老若男女が登場する。
「銀座サロン」思い出話では、小田島雄志村松友視が対談をしている。
このふたりの最後の「銀座サロン」となっている。
この「銀座サロン」のコーナーは、円地文子吉行淳之介
池田弥三郎などが、嘗て担当していた。


銀座で、この「銀座百点」が置かれている店なら、
まず間違いない店だとの、お墨付きとなるのではないか。