古文研究法


筑波大学名誉教授の小西甚一先生が、
平成十九年五月二十六日にご逝去された。
享年九十一歳。
小西甚一先生は、「文鏡秘府論考」により、三十五歳で、
日本学士院章を受賞されている。
何よりも、私が印象に残るのは、
古文の受験参考書の名著、「古文研究法」である。
この参考書は、古文とは何ぞやまでも含めて書かれている。
私は、特に「はじめに」の文章に共感した。
小西先生は、方法論を「正しい筋道を立てる」と明快に記述している。
「平凡な知識を確実にこなす」これ以外に勉強の方法はないと説く、
そんな誠実な小西先生の姿勢に、厳しくも温かい、
先生の人柄が滲み出ているような気がする。
社会人になってからも、
この「古文研究法」と原仙作著「英文標準問題精講」
森一郎著「試験にでる英単語」を読むことがある。
いずれも、著者の魂を感じる参考書だと思う。
受験技術もさることながら、受験生に学ぶ本質を説いている、
稀有な参考書だ。
「古文研究法」を紐解き、自分を見直したい。