割烹着と塩むすび


馴染みのクラブでホステスさんが、お母さんのように、
割烹着姿で現れ、お客さんに料理を運んでいた。


ふと、昔に戻ったような気分になり、
子供の頃の母や近所のおばさんのことを思い出した。
よくお祭りの炊き出しのとき、
町内会の婦人部のおばさんが、おにぎりを作ってくれた。
大概それは塩むすびだった。
それでも、お腹の減った子供達には、美味しい握り飯だった。
当時、東京の下町は、電気炊飯器だったが、
このお祭りの炊き出しは、薪で炊いた銀シャリだった。


そういえば、山口百恵が結婚するとき、
白い割烹着が似合う奥さんになりたいと、話していた。
和風の百恵さんらしいな、と思ったものだ。