落合監督・日本一への道

私の中で、プロ野球日本一の監督は、川上監督、森監督、
あるいは、野村監督だろう。
彼らは、何年もの間、日本一を維持してきた監督たちだ。
どちらかと言うと、手堅い、管理野球の官僚的なイメージがある。
面白みがないと言えば、無いが安定感のある采配であった。
将棋で言えば、守りの名手。

一方で、星野監督、落合監督は、独特の個性で、
日本一に導いた監督。
私が、落合に思うのは、意外に手堅く、
守りを重視していることだ。
そして、目的達成のために、最善の道を、常に考えている事。
今回の「落合監督・日本への道」を見て、その印象をより確かなものとした。

あの、日本シリーズの最終戦の、落合監督のピッチャー交代に関して、
賛否両論はあるが、
「ここで終わらせたかったもの、北海道に行きたくなかったから」
との落合監督の言葉は、素直な心の吐露ではないだろうか・・・・

私の中で、特に印象に残った落合監督の言葉は、
「自分の中の割り切り方が、できるかできないか」
であった。

時折見せる、少年のようなイタズラぽい表情。
「うちの選手は、みんな淋しがりやだよ」
そう言う落合博満自身が、一番の淋しがりなのかもしれない。