切なさのスピード


中森明菜の「セカンド・ラブ」で、


『せつなさの スピードは高まって とまどうばかりの わたし・・・・』


という歌詞があるけど、「シュガー&スパイス」を観ていたら、
ふと、このフレーズが想い浮かんだ。
柳楽優弥が不器用だけど、優しい青年を好演していた。
青春は試行錯誤、そんな青年を等身大で演じていた。


沢尻エリカは、表情が素晴しい。
表情で表現できる若い女優の少ない中、
何かとお騒がせの、賛否両論ある女優だが、
演技力はピカイチ。
大河ドラマ篤姫」の宮崎あおいも、同じく若手で光る女優だと思う。
既に鬼籍の人となってしまったが、演出家の久世光彦あたりが、
沢尻エリカを鍛えていれば、更に磨きがかかる逸材だと思う。
久世光彦は、小泉今日子を女優として花開かせた、名伯楽。


夏木マリ演じるグランド・マザーが、
「女の子には、シュガー&スパイスが必要よ、
 優しいだけじゃだめなのよ」
と語るところが、洒落ていた。
男子版、ユーミンの「ダンデライオン」のような映画だなと思った。