愛と死


美知留(長澤まさみ)瑠可(上野樹里)宗佑(錦戸亮)と、
それぞれが、カタルシスを迎えながらも、再生するのだろうか・・・・
そんなことを漠然と、考えていた。
ラスト・フレンズ」最終章は、「愛と死」
この「死」は、もしかしたら、「詩」に置き換えられるのかもしれない。
まさに、詩の最終章。


宗佑の心の闇を、考えるとき、
人類の最大の武器であり狂気である、原爆のことがふと浮かんだ。
人間の根源的な破壊への欲望の表象、
それが、もしかしたら原爆なのかもしれないと・・・
現代社会は、原子爆弾を所有したときから、
この狂気を飼いならすことに、努力してきた歴史でもあった。


宗佑は、狂気を飼いならすことができない。
異常と正常の境目を綱渡りする宗佑。
アンビバレントの蟻地獄で、もがけば、もがくほど、
自らも傷付けてしまう。


何故か、シェークスピアの「リチャード三世」の、
こんな言葉が甦るのだ。


     慈悲の掟をご存じないか。                                                               
     悪には善を、呪いには祝福を。