固定等価レート


ユーロとういう共通通貨が生まれる前、
固定等価レートを実施している国の存在は、
日本であまり知られてなかった。


例えば、現時点で1ドル107円だとしても、
日本と米国は変動相場制であり、日々刻々レートは変わっている。
また、それぞれの国の通貨はその国のみで流通されていると、
大方の方は認識していたのではないか。
日本円は、米ドルに両替しなければアメリカでは使用できない。
日本の1万円札は、日本国内のみで通用するが、
海外では通用しない。


ところが20年以上前、東南アジアのブルネイに赴任していた頃、
ブルネイドルは1シンガポールドルと同じレートだった。
両国の為替レートは、固定等価であった。
シンガポールでもブルネイドルは使用でき、
ブルネイでもシンガポールドルをそのまま使用できた。
両替必要なしだったことに・・・・
少なからず、カルチャーショックを受けた。



先日、ある大手外資系バンクの方と話す機会があったが、
ブルネイドルとシンガポールドルが同レートであり、
お互いの通貨が流通していることは、ご存知なかった。
勿論、この話題はローカルではあるが・・・・・


共通通貨のユーロ圏では、
圏内の国同士では、戦争はいまのところない。
通貨は人間にとって、重要なアイデンティティなのかもしれない。


ブルネイに駐在時代の経験を通して、
生きた経済を学べたような気がする。